MoonCupRoof

劇作家・演出家、萩谷至史の日々のあれこれ、や、短い作品たち

#13 "Red"

Blue, It was completely blue. In the small garage of my house, shutter was closed. There was a piece of paper which was A3 in size in front of me. It was painted all blue. Was it sea, night, sky, or mind? Or all of them? The blue looked ab…

#13「Red」

青だ。完膚なきまでに青。 家の小さなガレージの中。シャッターは閉まっている。 目の前には、青色に塗りつぶされた紙が一枚。 海だろうか、夜だろうか、空だろうか、心だろうか。 あるいは、その全て。全てを飲み込んでしまう青。 静かな夜。秋の大気は冷た…

#12 "The Duty"

I have been on an egg. For about 2 months. On that night, I was walking to go back home from my office as usual. That day was a boring day as usual. When I was thinking about sarcastic comments made by my manager and half price delicatesse…

#12「任務」

卵の上に座っていた。 二年くらい経つだろうか。 その日の夜は、いつものように仕事を終えて、家に帰る途中だった。いつものようにつまらない一日。上司の嫌味とスーパーの半額総菜のことを考えていたとき、突然意識を失った。 気付くと、僕は半径三メート…

#11 "I came up with this when I ate custard cream. So, It has some relevance to it"

I woke up and saw the disgusting setting sun. I looked around in my gloomy room. A small room. There were a bunch of empty beer and sour cans on the floor. There was a bag of chips which had been opened and left roughly. I had a bad hangov…

#11「カスタードクリームを食べながらおもいついたから、それと関係があるんだと思う」

起き抜けに見る夕日の気持ち悪さ、 薄暗い部屋を見回す。 四畳半の部屋にはビールやチューハイの空き缶が大量に転がっている。 テーブルの上には無造作に開封され、放置されたポテトチップの袋。 二日酔いだった。 けれども、何の問題はない。 バイトは二日…

#10「おーどぱるふぁむ」

むせ返るような濃密な香りの中、浮かぶ。 無重力のような空間は私から方向を奪う。 私はどこにもいなくなる。 明るく輝く月は、乳白色の明かりで、ギリギリで存在する四角形の町並みを溶かしている。 蝶が飛んだ気がしたが、今は秋だから、それは、私の脳に…

#10 "Eau De Parfum"

I float in the rich suffocating smell. The space like having no gravity takes away a sense of direction from me. I am to be nowhere. The bright moon is melting a square city which barely exists with its milky white light. I feel butterflie…

#9 "The Edge"

"The Edge" was so close. I had wandered in Shibuya for about 30 minutes, probably. I had coincidentally got to the place. I had imagined that "The Edge"had been so far. So, I had never thought of my coming here. The place was dark, and I f…

#9「端」

「端」はとても近かった。 三十分くらいだろうか。雨の渋谷の街をさまよっていたら、迷い込んでしまった。 「端」はとても遠いところのイメージだったので、迷い込む事があるなんて、夢にも思ってみなかった。 そこは、ちょっと薄暗くて、うっすら公衆便所の…

#8 "Peace prize"

What, what makes you keep such a foolish face ? I couldn't totally understand It is definitely weird, definitely, in this world, I can't explain well, I have never been able to explain well for 25 years. But, absolutely weird. Otherwise, I…

#8「平和賞」

なんでそんなふざけた顔でいられるのだろうか、正直僕にはよくわからない。 どう考えてもおかしいと思う、とても、この世は、うまく言えないけれど、25年間うまく言う事ができなかったけれど、やっぱり、おかしいと思う。でなければ、僕はこの商店街のふざけ…

#7「Sherry then awamori」

"What a fuckin' boyfriend." I finished drinking awamori and put the grass on the table roughly, then murmured The unique taste is filling my mouth and brain. My fuckin' boyfriend had kept me waiting for 2 hours. At 1 am, he texted me "Sorr…

#7 「シェリー、のち、泡盛」

「クソ彼氏」 私は泡盛を飲み終えて、乱暴にグラスをテーブルに置くと、つぶやいた。 泡盛の独特の味が、口と脳を満たしていく。 あのクソ彼氏は、私の事を1時まで待たせた挙げ句、「ごめん、飲み会抜けられなくて!」というLINEを送ってきた。 だから、私…

#6 THE NIGHT OF FUMAGON"

"Just here" It was midnight. We were in the park. This park was a little bit far from our house. You stopped walking and started to speak. "One day, 'it' was born in the middle of night, when no one was here. There had been no presage. The…

#6「フマゴンの夜」

「ちょうどここよ」 真夜中、家から少しだけ離れた公園。キミは立ち止まって話しだした。 「ある日、真夜中、まだ誰もいない時間に、突然それは産まれたの。何の前触れも無く。そうして、怪獣フマゴンは闇夜に溶けて、時々、人々を不幸のどん底にたたき落と…

#5「けみるみねっせんす」

きょ / うは / いいよ / る / だ / なあ、、、 散歩からの帰り道。昼間の熱さは大気から姿を消し、風の流れる心地よい夜、が満ちていた。一歩一歩、乾いた地面を踏みしめる。その度に、青い燐光が地面から浮かび上がっては消えた。 ま / いに / ちこ …

#4「a」

「なんで人間は一人なのにさー、死体は一体って数えるの?」 ただいま、の代わり。塾帰りの僕の第一声は、誰もいない小さなアパートの部屋の白い壁に吸い込まれた。今日も負けた。この白い壁に吸い込まれない言葉など、あるのだろうか。テーブルの上には夕食…

#3 「雨」

ジリリリリリリ ぼんやりと覚醒した、ワタシ、の、耳に入ったのは、雨の音、だった。 何かをやらなければいけない日は、必ず雨が降る。 憂鬱、だから、布団に潜って、一旦、現実から目を逸らす。一旦。 ワタシ、は、こうやって、なんか、こう、起きて、出掛…