#3 「雨」
ジリリリリリリ
ぼんやりと覚醒した、ワタシ、の、耳に入ったのは、雨の音、だった。
何かをやらなければいけない日は、必ず雨が降る。
憂鬱、だから、布団に潜って、一旦、現実から目を逸らす。一旦。
ワタシ、は、こうやって、なんか、こう、起きて、出掛けなければいけない、のだ、けれど、それは、なんか、何か、昔から、みんなと同じことをする、集団行動、とか、そういうのが、嫌いだった、ことも、あるのかもしれない、なぁ、と、思った、ときに、目覚まし時計がなっていることに気がついた。
ジリリリリリリ
あー、、、
ぼんやりと覚醒した、のではなく、目覚まし時計に、起こされた、のだ、と、いうことに気がついた。このまま布団にいられたら、と、思わない日はない。
、雨の音。
重い身体を起こして、キッチンに行く。
蛇口からは、水滴が垂れていた。昨日、閉め忘れたらしい。
、雨の音。
ワタシ、は、落ちていく水滴、を、数、え、る。
、雨の音。
ひと粒ひと粒落ちていく、水滴、が、シンクに落ちる、音。
、外の雨、の、音、は、いくら開いても永久に開ききることの無いカーテン。
サーっ、と、激しくなってきた。
十粒。蛇口から落ちる水を数える間に、何粒の雨粒が地面に落下する、のだろうか、と、思った。
あまりにも多すぎて、一粒ひと粒の音、では判別出来ない。
ワタシは、一杯水を飲む。血液が巡って、脳、が、動き出す。
着替えて、化粧をして、スタイリングをして、銃を持って、鍵を持って家を出る。
今日は、首都の殲滅作戦だ。何人の、友達が死ぬのだろうか、と、思う。
行ってきまーす。
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
無数の雨粒が地面に叩きつけられている中、ワタシは、外に出る。
蛇口からは、一粒、一粒、水滴、が、落下、していた。
蛇口を締めに帰るためにも、ワタシ、は、死んではいけない。
、