MoonCupRoof

劇作家・演出家、萩谷至史の日々のあれこれ、や、短い作品たち

Storyteller in art Vol.8「つぼみの時間」with ainoa

Storyteller in art 第8回はアクセサリー作家のainoaさんです。

 

彼女のつくるドライフラワーや貝殻、小瓶のアクセサリーは、とても繊細で素敵です。

たとえ、慌ただしく過ぎ去る日々を過ごしていたとしても、時間をゆっくりにして、私たちの日常を豊かにしてくれる力が、このアクセサリーたちにはあります。

今回は、そんな、繊細なドライフラワーのアクセサリーにインスピレーションを受けて、物語を書きました。

 

 

 

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まぶたを透かして届いてくる朝の光に、私の意識は覚醒する。水底に沈んでいるクラゲが海面に上昇してくるように。

夢の世界の微弱な浮力は、ゆっくりと「私」を現実へと押し上げていく。そして、柔らかな境界を、私は越え、目を、開けた。

 

ワンルームの部屋、私はテーブルの上に突っ伏して眠っていた。

横には、500mlのハイボールの缶がおかれている。

部屋には倦怠が霧のように漂ってる。一瞬、私は霧に窒息しかけ、焦って呼吸の仕方を思い出す。

ハイボールの缶を持ち上げて軽く揺する。缶の中で揺れるのを感じる。半分以上が残っていた。

重い上体を起こして、伸びをした。

朝、6時。

昨日は、仕事が終わらないわ、それなのに新しい仕事を振られるわ、そのせいで行きたかった映画に行けなかったわで、散々な一日だった。

遅くに仕事を終え、私はそのイライラを清算するかのように、一人で会社近くのバーに行ってビールと赤ワインとマティーニ3杯を飲んだ。そして、酔っぱらって帰宅し、シャワーを浴びた。酔いとシャワーで熱くなった身体を醒ますために、冷蔵庫の冷気を求めて扉を開けたら、缶のハイボールを見つけた。それを寝酒のつもりで飲んでいたら、いつのまにか眠ってしまったらしい。

 

頭がガンガンする。さすがにマティーニ3杯は飲み過ぎだった。

私は立ち上がって、フラフラと窓辺に行き、ベーシュ色のカーテンをあけた。

雲一つない、澄んだ冬の朝。ガラスを透して、まっすぐに差し込んでくる昇りたての陽の光は、今の私には少し強すぎる。

深呼吸を一つ。私は今日も生きている。

ハイボールの缶を手に取り、自分の中の悪い堆積物を流しだすように、流しに捨てた。

しくしくと、ハイボールが、流れていく

 

空になった缶を捨て、目をこすりながら食器棚からホーローの黄色いポットを取り出し、水を入れて火にかけた。

そして、冷蔵庫からトマトとチーズとバジルを取り出す。

トマトをスライスし、バジルをちぎり、チーズと一緒に6枚切りの食パンに乗せ、仕上げにオリーブオイルをかける。パンに乗り切らなかったトマトは、そのまま直接食べた。

冷たさと酸味が、アルコールでふわふわした私の身体を説教した。

 

今日は休日だ。

朝6時。まだ眠っている人の方が多い、に、違いない。少なくとも、平日フルタイムで働いている人は。

「さて」

パンをオーブントースターに入れ、私は、もう一度深呼吸をした。

 

私は、これから、生き返るのだ。

 

 

「つぼみの時間」

早朝の時間を、おばあちゃんはそう呼んでいた。

 

おばあちゃんは,もともと、私と両親とは離れて暮らしていたが、私が小さいときにおじいちゃんが死んでしまったのをきっかけに、持っていた家を売り払い、私と両親と住みはじめた。

祖母は必ず毎日、朝5時に起きた。

私と両親は、時々、祖母の活動する音に起こされる。母は時々文句言っていたが、私は、時々おばあちゃんと一緒に起きるのが好きだった。

おばあちゃんは、早朝のうちに朝食を作り、食べ、服を着替え、髪を整え、メイクをした。その動きは一つ一つの所作に無駄が無く、かつ、とても丁寧で、洗練されていた。どこにどれくらい時間をかけるのが最適か、ということを熟知していた。

その無駄の無い動きに、私は幼いながらに見とれていた。

おばあちゃんの凄いところは、これを欠かさず毎日するのだ。外に出たり、誰かに会う用事が無くても、必ず、時間をかけて、丁寧に早朝の時間を過ごす。

 

ある日の朝、私は、支度を終えて紅茶を飲んでいたおばあちゃんに聞いたことがある。

「おばあちゃん、どこにも行かないのに、着替えたり、お化粧したりするの?」

「当たり前よ」

「外に出ないのに?」

「これはね、誰かのためにやってるんじゃないの」

「じゃあ、何で?」

「きちんと毎日綺麗に咲くためよ」

「どういうこと?」

「花はなんで綺麗か知ってる?」

「知らない」

「つぼみのうちに、しっかり準備するからなのよ。つぼみのうちに、どんな風に咲こうかな、ってことを考えながら、おめかしするの。だから、綺麗に咲くことができるのよ」

「ふーん」

なんだかよくわからない、という顔をしていたであろう私に、おばあちゃんは言った。

「私たちはたくさん嫌なことを経験するわ。けどね、毎日生まれ変わるの。朝起きると、嫌なことがあった前の日の自分はもういなくなってて、新しい自分になる。だから、毎朝咲くチャンスがあるの。そのためには、朝、このつぼみの時間に、丁寧に時間をかけて、準備をしなきゃいけない」

「つぼみの時間」

「嫌なことがあったり、忙しいことがあったら、つぼみの時間を大切にしてごらん」

私は、ちょっとめんどくさいな、と、思った。

けれど、おばあちゃんはいつも素敵だった。

 

 

ポットの口から湯気が勢いよく出始めた。

私は、青色の陶器のマグカップと、コーヒーのドリッパーとフィルターを食器棚から取り出す。そして、フィルタをセットして、コーヒーの粉を入れて、お湯を注ぐ。

最初はお湯を少しだけ注ぐ。粉を湿らせて、ちょっとの間、蒸らすのだ。

私は目を閉じる。香ばしい香りを嗅ぎながら、呼吸の速度を下げる。

30秒。目を開ける。目に映るワンルームは、ほんの少しだけ、優しくなっていた。

優しい空間の中、残りのお湯をゆっくり注いでいく。フィルターをコーヒーが通っていく。

オーブンを開けると、トーストの上でチーズが美味しそうにとろけていた。

 

私は、コーヒーカップとトーストの乗ったお皿をテーブルに置いて、座った。

そこは、私が眠っていたテーブルとは違っていた。

 

朝食をとりながら、今日のことを考える。

ゆっくりと味覚を働かせていくうちに、頭が冴え渡ってくる。私の色が、戻ってくる。

倦怠の霧がすっかり晴れ、朝の日差しが差し込む部屋で、今日の咲き方を決める。

昨日の私では無い、新しい私の咲き方を。

 

お気に入りのニットを着て、時間をかけてスタイリングをして、メイクをする。

この間買ったベージュのチークを使おう。

そして……

 

私は、立ち上がり、鏡の前にある小さな引き出しを開けた。

そこには、ドライフラワーのアクセサリが入っている。

実家を出るときに祖母がくれたものだった。

かすみ草と、黄色・紫・薄紫のスターチスのイヤリング。

「あなたが綺麗に咲くための味方よ」と、おばあちゃんは言った。

私は、紫のスターチスのイヤリングをとった。

花言葉は「知識」。

今日は図書館にでも行こう。脳みそを、ゆっくり耕す、のだ。

 

私は、カップを手に取り、コーヒーを一口飲んだ。

開花まで、もう少し。

 

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ainoa

 

「ainoa」はハウルの動く城に感銘を受けて、キャンバス画にした時、それを立体化したくなり、できたものを見た時に「そこに置くだけのアート作品をもっと身近に楽しめるものにできないか?」という思いから、小瓶にアート作品を詰め込んでピアスにしたことがはじまりです。

「ひとつだけ」のアート作品をもっと身近に身につけられるものに、アートをもっと身近なものにしていきたいと思っています。

 

1993 東京都世田谷区生まれ

2012 朋優学院高等学校 デザイン科卒

2016 東京造形大学 室内建築専攻卒 

 

Web:  https://www.ainoa.online/

Instagram: ainoa117

 

Storyteller in art Vol.7「キレイなセカイが揺れる音」with TOW

Storyteller in art 第7回は、ミュージシャン、TOWのお二人です。

TOWは、ボーカル&アコーディオンのヌエさんと、ギターのカイさんからなるアコースティックユニットです。

最初にライブハウスでお二人の音楽を聴いたとき、一瞬にして空間をつくる、その演奏にガッツリ引き込まれました。mooncuproofの舞台「OVUM」の音楽を担当していただいたこともあります。

TOWの魅力は、一曲一曲にそれぞれある独特の世界観と、場をつくる演奏、そして、圧巻のパフォーマンス力。

 

今回インスピレーションをもらった「稲穂」は、日本神話に登場する神様、宇迦之御魂大神をモチーフに書いた曲で、ノスタルジーたっぷりの曲です。僕の地元の村には稲荷神社があるのですが、その風景を重ねながら、物語を書きました。

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「稲穂」動画 

theacousticguitarproject.com

 

 

 

たった一人の乗客を乗せた古いバスのドアが開き、喪服姿の私は実家の最寄りのバス停を降りた。

午後8時。村の最終バスは運転手だけを乗せ、次の停留所へ向かっていった。

 

半年ぶりの故郷だ。

目の前には稲刈りの終わった田んぼが広がっている。

稲穂の無い田んぼは、どこか寂しさが漂っていた。

東京の喧噪が嘘のようだなー、と、思いながら、私は家に帰るために畦道を歩き出した。

 

服と髪には焼香のときの香のにおいが染み付いていた。

 

 

交通事故だった。

東京の会社でその連絡を聞いた私は、その日の新幹線に乗って、急いで故郷の村に帰ってきた。

 

それにしても、人というものは、こんなに突然この世からいなくなってしまうものなのだろうか。

会社の社員旅行で撮ったらしい、写真のみかお姉ちゃんの表情は、とても活き活きとしていた。葬儀のときのうつろな目で涙を流している、みかお姉ちゃんのお母さんの存在だけが、お姉ちゃんの死を実感させた。

 

 

みかお姉ちゃんは、近所に住んでいた五歳上のお姉さんで、この村の高校を卒業して、この村で働いていた。お母さん同士が知り合いだったので、私は産まれたときからずっとみかお姉ちゃんと一緒にいた。

みかお姉ちゃんは何でも知っていた。

お母さんや先生に怒られて落ち込んだときに元気を出す方法も、好きな男の子をデートに誘う方法も、勉強のやり方も、授業をサボる方法も。

高校を卒業してこの村を出た後も、お盆と年末の帰省の度に必ずお姉ちゃんと会って、相談を聞いてもらっていた。お姉ちゃんの言葉は、いつも、未来を照らしてくれていた。今年も年末に帰省したときに、相談したいことがあった、のに。

 

 

ふと、私は、畦道に面した、鳥居の前で足を止めた。小さな石でできた鳥居だ。

鳥居をくぐるとすぐに本殿がある、小さな稲荷神社だった。

境内にはたくさんの高い杉の木が植えられていて、本殿の前には狐の像がある。

 

「ここのお狐様に触ったら、どこか遠いところに連れて行かれちゃうのよ」

私は、小さいころ近所の大人たちにそう言われてきた。

もの心ついたときからずっと言われ続けていたせいで、昔はこの狐の像が怖くて仕方なかった。何かを睨みつけているような目をした像と目を合わせると、その狐に急に体温が宿り、私を口にくわえて遠い遠いところに連れて行ってしまうのではないか。

小学校の帰り道、夕方に神社の前を通ると、そんな妄想に、よくおびえたものだった。

そんな神社も、お姉ちゃんと一緒にいるときは怖くなかった。お姉ちゃんと遊んだ帰りにこの前を通るときは、絶対に私の手を握っていてくれた。

「大丈夫よ、触らなきゃいいの」

 

中学生くらいになって、お姉ちゃんに相談する悩みが恋愛とか進路のこととかになってくると、その恐怖も消えていった。その頃、私たちはよく、神社の中で話すようになった。

狐はなんとなく不気味ではあったが、あまり気にならなくなった。

 

 

私は、ふわっと、鳥居をくぐった。

境内は、静かで、時々、木枯らしがさわさわと杉の木を揺らす。

本殿の前には相変わらず狐の像があって、不気味に世界を睨みつけていた。

 

お姉ちゃんは、狐を見たことがあった。

「あった」と、言っていた。

 

 

あの日、中学3年生の夏休みの夕方。仕事が休みのお姉ちゃんと、境内に座っていた。

ヒグラシの声、アイス、巨大な雲。

一通り話を終えた私たちは、田舎の夏を静かに呼吸し、ぼんやりと、目の前の風景を見ていた。

私が頭の片隅で、宿題の読書感想文のことをころころともて遊んでいたとき、お姉ちゃんは、突然歌を口ずさんだ。

 

一番星ひとつ

帰ろう帰ろう わらべうた

木枯らし駆けてゆく

冷えた道を 見つめる茜雲

 

「お姉ちゃん、何?その歌?」

「不思議な歌」

「どういうこと?」

「昔、私が小学5年生の頃、おばあちゃんが死んじゃったんだ。私、両親が共働きだから、ちっちゃい頃はいつもおばあちゃんと一緒にいたの。だから、おばあちゃんのいない世界って、どうなっちゃうんだろうって、ちょっと怖かった。それで、毎日一人でここで泣いてた時期があったの。そしたら、ある日、本殿の方から歌が聞こえてきた。不思議に思ってそこに行くと、二匹の着物を着た狐がいたの」

「え?」

「一匹の狐は歌ってて、もう一匹の狐は見たことのない不思議な楽器を弾いてた」

お姉ちゃんの口調はまじめで、私をからかっているような感じではなかった。

「私は連れてかれちゃうんじゃないかと思って、怖かったんだけど、音楽を聴いてると、不思議と恐怖が消えたの。とっても綺麗な曲だった」

「それで?」

「一曲終わると、二匹とも本殿の裏に消えちゃった」

「それ、お狐様?」

「かどうかはよくわからないけど。ほんとにほんとに綺麗な曲でさ、それを聞いた後に村の風景を見たら、ああ、こんなきれいな世界に生きてるんだ、って思った。おばあちゃんがいなくても、きっとこの世界は怖くない」

お姉ちゃんは杉の木の隙間から、目の前の畦道と、それに続く空を見ていた。

私もその視線を追った。

夕日を背景に、田んぼを埋め尽くす晩夏の稲穂。その風景は、綺麗というにはあまりにも見慣れすぎていた。それを見つめるお姉ちゃん、には、多分、違った風に見えているのだろう。

 

 

一番星ひとつ

帰ろう帰ろう わらべうた

私は、狐の像を見ながらその歌を口ずさんだ。お姉ちゃんからたった一度だけ聞かされた曲は、不思議とすらすら出てきた。

私の中には、まだ、おねえちゃんが、いた。

お姉ちゃんとの思い出に満ちた神社、畦道、村。

私は、私は、これから、誰に相談すればいいのだろうか。

 

狐の像は、昔と変わらずにそこにあった。

私は、像に触れる。

……もし、触って遠いところに連れて行ってくれるのならば、お姉ちゃんのいないこの世界から連れ出して欲しいと思った。

だから何度も、何度も、狐に触る。何度も、何度も。

けれど、狐は私をくわえてどこかへ行ってしまう、ということは決してしなかった。かつて、生きてるように感じた狐の像、は、冷たい石、だった。

こみ上げてくる感情のせいで、私の体だけが、熱くなる。

連れて行かれる、には、私は大人になりすぎてしまった。

過ぎた時間は戻らない。お姉ちゃんが、戻って来られない、ように。

 

 

と、そのとき、私の耳に、本殿の方から弦をはじく音が聞こえてきた。

私は、本殿の方を向く。

目の前には、2人組の着物を着た男女がいた。

女は長い髪をして立っていて、男はギターのようなものを持って座っていた。

別の世界のに住んでいるようにも見えたし、何百年もその場所に居続けているようにも見えた。

 

一番星ひとつ

帰ろう帰ろう わらべうた

 

境内に、弦と歌声が響く。

その音は、大気を、そして、心を澄み渡らせる音だった。

 

弓張月を待つ白い花

寒空の下 揺れてる

風の便りに耳を傾け

滲む空を 見上げた

 

私は、その言葉の一つ一つ、その音の一つ一つに包まれて、ただ、立ち尽くす。

 

 

最後の一音、が、鳴る。

私は、その音が鼓膜を震わせ続けられるように、目を閉じた。

 

、、、そして、静寂。

目を開けると、2人組はいなくなっていた。

 

 

澄んだ夜の空気は、弦と声の余韻を含んで、わずかに揺れている気がした。

私は、ふわり、と、田んぼの方を見た。所々に、オレンジ色の明かりが点在していた。

 

お狐様は、私を連れて行くことは無かった。

私は、ここに生きていた。

世界は、綺麗だった。

私は、涙が止まらなかった。

 

お姉ちゃんがもうこの世界にいないことを再認識したからなのか

お姉ちゃんが見た綺麗な世界が見えたからなのか

その世界で生きていかなければ行けない不安からなのか

よくわからないけれど。

 

 

風が杉の木を揺らす。

 

見上げた杉の木に囲まれた空は、涙で滲んでいた。

 

 

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【TOW】

唯一無二の歌声とアコーディオンを駆使するボーカリスト「ヌエ」と、叙情的に音を紡ぎだすギターリスト「カイ」による日本のアコースティックバンド。2014年結成。

独特で壮大な世界観と、日本らしい「和」の空気を持つ音楽を軸とする。

 

ライブペイントや書道、演劇とのコラボなどの他、メディア出演や劇伴曲提供など多彩な活動を展開する。

 

2018年、世界に日本文化の魅力を発信すべく、"神出鬼没"と言う神社の紹介動画をスタート。日本の誇るトップクリエイターチームと共に、全国の神社を巡る。

 

同時に本年は世界最大規模のバンドコンテスト"EMERGENZA"にエントリー。

来場者の挙手で決勝進出が決まる本大会にて「日本」の代表として世界大会で優勝するため、3月の準決勝へ全力を注いでいる。

なお予選は強豪バンドとの接戦の中、来場者の挙手に大きく後押しされ、投票数トップで通過した。

 

またヌエ、カイ共にゲーム好きな一面もあり、Youtubeにゲーム実況も投稿している。

 

 

【Live】

Emergenza Japan 準決勝

日程 2018/03/24 (土)

 

場所 渋谷 eggman

   https://goo.gl/maps/TSiSEHEPYEP2

 

料金 前売 2500円 (別途 1drink)

   当日 3000円 (別途 1drink)

 

時間 開場 17:00

   開演 17:20

   演奏開始 18:50

 

 

《TOW Official Website》

http://www.tow-music.com/

 

《TOW Youtube Channel》

https://youtube.com/channel/UCBrpstSB8bohd2MRq2sd2fA/

Storyteller in art Vol.6 "The story about 'o' " with Yukiko Nishino

Storyteller in art Vol.6

I was inspired by works of Yukiko Nishino, videographer.

She learnt experimental video in Massachusetts College of Art and Design.

Her works drive us to something fundamental.

 

I was inspired by the one of her works "Where I was born".

"Birth" is a passive thing for baby. When we are born, we can't choose anything and the world start forcibly. Once a life starts, we have to live in this unpredictable world.

 

Here, I wrote the story about "Birth and Absurdity"

 

Movie「Where I was born」 

https://vimeo.com/125531639

 

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The sound shook the air, and destroy our daily lives.

 

I still remembered the deafening sound.

The sound told us the fact that our town had become evacuation area.

The level of μrays had been over the safe level.

I had been ready for escaping someday because towns around us had already been polluted.

 

I could have not lived my town any more.

So, I had walked a long way to escape from μrays.

I had depended on someone's words and twitter, depend, on.

Walk, walk, walk…then I had taken refuge here.

There was nothing I could do about the pollution.

Escape, escape, escape,,,then,

In front of me, a white house.

 

I entered by a small entrance.

I checked the amount of μrays by a smartphone's app.

Here is a safe area.

I took a breath.

Wall, roof, everything is white.

We can't feel anything living from white, but here was warm, I didn't know why.

 

It is mysterious that being in something make me ease.

I closed my eyes and breathed slowly, and pushed out my anxiety.

 

oooooooooooooo

 

,,,I could hear the sound of wave slightly from far away.

As if it surrounded me.

Slightly, it made a sound outside.

It was like a unknown language which is spoken in a country far away.

I, hear, that,,.

 

The sound is like a lullaby, surrounding here, inside.

 

"I AM…"

 

No, I found this sound was different from the sound of wave. It was a voice.

The voice was meaning something against the sound of wave.

 

"I AM here.

I AM not being met by someone.

I AM in something like membrane.

I AM waiting for a door opening.

I AM listening to the sound "oooooooooo"

I AM not able to jump over time.

I AM not able to run at the speed of light.

I AM far from the exit.

I AM floating in 0.9% saline.

I AM moving forward.

I AM going only this direction.

I AM supposed to go out.

…I AM able to hear something outside.

…I AM listening to this.

I AM not able to here, but do."

 

I wondered where here is.

I looked around.

Only thing I can see is "white".

I found the entrance had vanished.

I had lost the only exit.

How can I be alive here?

Well…OK. It doesn't matter, here is not polluted.

I have enough time to think.

 

I lay down on the white floor, surrounded white walls, seeing a white roof.

 

oooooooo,,,

 

ooooooooooooo,,,

 

oooooooooooooooooo,,,

 

,,,,,,,,,,

 

 

"Hey, here is not safe anymore!"

I woke up because of this man's voice. He was grabbed me by the shoulders.

"Who are you?"

"It doesn't matter. Here is not safe anymore! Escape!"

 

I wondered how he came. There is no entrance here.

 

"Let's escape."

"What?"

"Here has already been polluted."

"Still safe, look"

I showed him the app.Reading hadn't change.

"I know, but, dangerous."

"Why do you think so?"

"My estimate, I use my original equation."

I didn't want him to disturb my peace.

"You don't have a basis." "My original equation told me." "What is 'original?'" "We can't believe anyone under such a situation ! We have to think with own brain." "So, I want to think with MY brain." "Here is dangerous." "But, the figure doesn't change."

 

…Oh.

 

I checked the app again.

The figure rises suddenly.

It was too sudden to believe.

…Really?

 

"What's up?"

"Here, look…"

"I told you! Here is going to became a dangerous area."

 

Oh, I am not allowed to have peaceful time, listen to the sound of wave, and lay down on the floor.

 

"Why don't you escape?"

"Where?"

"Below"

"Below?"

"Yes, below."

"You mean south?"

"Yes, probably."

"South is safe?"

"Probably."

"Probably?"

"At least, not polluted."

 

I hesitated to go to that direction, because...

"Hurry up! Here is going to be more polluted."

"But here is warm."

"What do you mean?"

"If the south is safe, I will go. But, there is a possibility the place I reach would be polluted, too, right?"

"Actually, there is a possibility."

"So, It is no use going out."

"But, you can't be here anymore!"

"But, what can I do, if the place I reach is polluted?"

"If so, you can escape."

"Then the pollution is following, then I escape, then following, then escape. What can I do? What should I do? I had reached here, why Do I have to escape again? Why? Why? Wh…."

 

Then, the sound, of, siren.

 

It stopped my flow of time.

 

The siren, announcing here being polluted.

The sound saying "You can't be here anymore."

"Hurry up! Do you want to die?"

"Where is a exit?"

This room had no exit.

"Here!"

The man pointed a wall. there was a small hole. I had no idea why but the hole appeared.

I couldn't realize it. The hole was so small. I guessed I couldn't even put my finger into it.

"Hurry!"

I look through the hole, but, outside is totally dark. I couldn't see my future.

 

"I AM here.

I AM not being met by someone.

I AM in something like membrane.

I AM waiting for a door opening.

I AM listening to the sound "oooooooooo"

I AM not able to jump over time.

I AM not able to run at the speed of light.

I AM far from the exit.

I AM floating in 0.9% saline.

I AM moving forward.

I AM going only this direction.

I AM supposed to go out.

…I AM able to hear something outside.

…I AM listening to this.

I AM not able to here, but do."

 

I heard the siren sounded

The sound shake the air, and destroy our daily lives.

But our lives never die.

Destroyed lives become new our daily lives.

I have to live in the lives.

 

I move to the exit.

I can't be here anymore.

I have to go outside.

I don't know what will happen outside but I have to because I'm alive.

 

So, I have to walk to

So, I have to go

 

Through a small hole.

Wherever the place I reach.

Even if the place is going to be polluted.

I made up my mind to cry loudly after I go out.

Because I surely exist.

 

 

"o"

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Yukiko Nishino

 

She learned videography  in university, then she leaned experimental movies in graduate school of Massachusetts College of Art and Design.

She is especially good shooting with super 8mm film and making time-lapse movie.

 

She often combine foods which shaped like bodies of women or paints with scenes of nature like sea or forest.

 

Web:https://ynishino4.wixsite.com/ringo

Storyteller in art Vol.6「『。』のものがたり」with ニシノユキコ

Storyteller in art 第6回は、映像作家のニシノユキコさんです。

アメリカのマサチューセッツ芸術大学で実験映像を学んだニシノさんの作品は、見ている人の意識を、根源的な「何か」に向かわせる力を持っています。

 

今回は、その作品の中の「Where I was born」という作品を取り上げさせていただきました。

「誕生する」ということは、産まれる本人にとっては究極的な受動です。個人の意志では何も選べずに、この世界での存在が、強制的にスタートする。一度スタートしてしまえば、何が起こるかわからない世界で「生きていかなければいけない」。笑ったり、泣いたりしながら、、、。

 

新年1発目は、そんなニシノさんの作品から、「誕生と不条理」というインスピレーションを受け、物語を書きました。

 

 

動画「Where I was born」 

https://vimeo.com/125531639

f:id:hagiya4423:20180105123127j:plain

 

 

 

サイレンの音は大気を震わせて、私の日常を破壊した。

 

 

耳をつんざくような音はまだ耳に残っている。

避難区域になってしまったことを告げるサイレン。

飛んでいるμ線の量が、ついに私の町でも基準値を超えてしまった。

周囲の町は既に汚染されていたから、いつかこうなるという覚悟はしていたのだけれども。

 

これ以上あの町にいることはできなくて、私は長い距離を、μ線から逃げるために歩いてきた。

「ここなら安全だ」という誰かの言葉を、twitterを、頼りに。歩いて、歩いて、ここに逃げ込んできた。

「汚染」は、私にはもうどうすることもできない。

逃げて、逃げて、逃げて、

私の目の前には 、 白い家。

 

小さな入り口から中に入った。ケータイのアプリでμ線の数値を確認する。

安全域だ。

私は一息つく。

壁も天井も床も、すべてが真っ白だった。

白、というのは、生命感の無い色だ。しかし、ここはなぜか温かかった。

 

 

何かの中にいると言うのは不思議なもので、なんとなく安心してしまう。

私は、目を閉じて、ゆっくりと呼吸し、不安を外に押し出した。

 

こおおおおおお

 

、、、波の音が外からかすかに聞こえてくる。

波の音、が、私を包み込むように。

わずかに、外で、鳴っていた。

それは、まるで、どこか遠い遠い国の言葉のようだった。

私は、それを、聞く。

まるで、子守唄のように、この、内側を、包む、その、音。

 

 

『ワタシ、は……』

 

 

いや、その音は、波の音と別の音だ。声だ。

波の音を背景に、その声、は、何かを、何かを、話していた。

 

『ワタシ、は、今、ここにいます。

 ワタシ、は、まだ誰にも会っていない。

 ワタシ、は、なんか膜みたいな物の中。

 ワタシ、は、ドアが開くのを待っている。

 ワタシ、は、こおおおおおおという音を聞いている。

 ワタシ、は、時間を飛び越える事ができない。

 ワタシ、は、光の速度で走る事はできない。

 ワタシ、は、出口まではすごく遠い。

 ワタシ、は、0.9%の塩水の中、で、たゆたう。

 ワタシ、は、なんとなく、進む。

 ワタシ、は、こっちに、だけ、行く。

 ワタシ、は、出て行かなければいけない。

 ……ワタシ、は、外で、何かが、聞こえる。

 ……ワタシ、は、それを、聞く。

 ワタシ、は、聞こえないけど、それを、聞く』

 

 

一体ここはどこなのだろう。

部屋をもう一度見回した。

私の視界に入るのは、白、だけ。

気づくと、入り口は消えていた。そして、他に外に出られる所はない。

ここで、私は、どうやって生きていけばいいのだろうか。

まあ、いいか。ここは「汚染」されていない場所だ。

時間をかけて、考えよう。

 

私は、白い壁に囲まれた白い床に横になって、白い天井を見る。

 

こおおおおお、、

 

こおおおおおおおおおおおお、、、

 

こおおおおおおおおおおおおおおおお、、、、

 

、、、、、

 

 

 

「ここはもうだめです!」

私は男の声に起こされた。男は切迫した感じで、私の肩をつかんでいる。

「誰ですか?」

「そんなことはこの際関係ない。もう、ここはだめです。逃げましょう」

 

わめき散らすその男は、入り口も無いのに、どこから入ってきたのだろう、か。

 

「逃げましょう」

「は?」

「ここはもう駄目です。μ線の汚染が、」

「まだ大丈夫ですけど。ほら」

私はアプリを見せる。数値はほとんど変わっていない。

「けど、多分、もう駄目です」

「なんで?」

「私の予想です。独自の方程式を使った」

、、、せっかく手に入れた平穏を、こんなふざけたやつに脅かされてたまるか。

「根拠はないじゃないですか」「だから独自の」「独自の、って何なんですか」「独自です。こうなったら誰も信用できないですからね。自分で考えるしかない」「じゃあ私も、自分で考えさせてください」「危険ですよ」「けど、数値はかわって無いじゃないですか」

 

、、、あ

 

私はアプリを確認した。数値は、急上昇していた。あの一瞬で。ありえないくらい。

まじで?

 

「どうしたんですか?」

「数値が、、、あがってる」

「ほら、ここもそのうち危険域になりますよ」

 

なんだ、私に平穏は許されないのか。波の音を聞きながら、ちょっと横になる時間も許されないのか。

 

「逃げましょう」

「逃げる、、、どこに?」

「下の方に」

「下?」

「下です」

「南のこと?」

「多分、そうです」

「そっちは安全なの?」

「多分」

「多分?」

「少なくとも、汚染はされてません」

 

私はそちらへ行くことを躊躇する。なぜなら、

「急ぎましょう、ここは、汚染がひどくなるだけです」

「けど、なんだか、ここが温かくて、」

「何言ってるんですか?」

「南のほうが永久に絶対に安全なら行くけれど、また汚染されるかもしれないじゃない、ね」

「そうかもしれない」

「なら、出て行っても意味が無い」

「けれど、ここにはもういられないんです」

「けれど、逃げた先が汚染されたら」

「そしたら、また逃げればいいんです」

「そしたらまた、汚染、が追いかけてくる。逃げて、逃げて、逃げて、それでも追いかけてくるかもしれない、そしたらどうするの?私はどうしたらいいの?逃げて、逃げて、逃げて、ここまできたのに、また、逃げて、逃げて、逃げなきゃいけないの?なんで?なんで?なん、、、」

 

と、サイレン、の、音、

 

、が、私の時間を一瞬、止めた。

 

サイレン。汚染を告げる音。

それは、「あなたはもはやここにいることはできないのだ」と、いう宣告を下す音。

「もうだめです。早く、死にたいんですか」

「どこから逃げるの?」

そうだ、この部屋には出口がない。

「ここです」

男が指差した先には、なぜか小さな穴が開いていた。けれども、それは、私の指すら入らないのではないか、というくらい小さな小さな穴だった。

「早く!」

私は小さな穴を覗き込んでみた。しかし、外側は、真っ暗だ。私の未来は何も見えない。それくらい、小さな穴だった。

 

 

『ワタシ、は、今、ここにいます。

 ワタシ、は、まだ誰にも会っていない。

 ワタシ、は、なんか膜みたいな物の中。

 ワタシ、は、ドアが開くのを待っている。

 ワタシ、は、こおおおおおおという音を聞いている。

 ワタシ、は、時間を飛び越える事ができない。

 ワタシ、は、光の速度で走る事はできない。

 ワタシ、は、出口まではすごく遠い。

 ワタシ、は、0.9%の塩水の中、で、たゆたう。

 ワタシ、は、なんとなく、進む。

 ワタシ、は、こっちに、だけ、行く。

 ワタシ、は、出て行かなければいけない。

 ……ワタシ、は、外で、何かが、聞こえる。

 ……ワタシ、は、それを、聞く。

 ワタシ、は、聞こえないけど、それを、聞く』

 

 

サイレンの音がなる。

サイレンの音は大気を震わせて、私たちの日常を、破壊していく。

けれども、私たちの日常は死ぬことは無くて、

破壊された日常が日常になる。

私は、その、日常を生きていかなくてはいけない。

 

私は出口に向かう。

これ以上この場所にいることはできないから。

外に出なければいけない。

外で何があるかはわからないけれど。

私は生きているのだから、

 

だから、私は、歩かなければいけない。

だから、私は、出て行かなければいけない。

 

小さな穴、から。

そうだ、ここを出たら、思い切り泣いてやろう。大きな声で。

たとえどんな場所であろうとも、いつかμ線に汚染される場所であろうと。

私は、確かに、存在する、のだから。

 

 

「。」

 

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ニシノユキコ/Yukiko Nishino

 

大阪芸術大学映像学科で映画制作を学んだ後、マサチューセッツ芸術大学大学院にて実験映像を中心に学ぶ。

 

8mmフィルム撮影、コマ撮りなどを得意とし、女性の体をモチーフにした食品や絵の具などの映像を海や森の自然風景と合成させた作品が多い

 

Web:https://ynishino4.wixsite.com/ringo

 

Storyteller in art Vol.5「3.1415926535...」with Miru Omori

「Storyteller in art Vol.5」

I was inspired by works of Miru Omori, colored-pencil-artist.

She works in a lot of fields actively. She paints illustrations, makes picture books, does workshops, and does works related with share houses.

Her works are so warm. I like its colors and lines.

 

I had decided to write a realistic story on her warm illustrations.

 

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"Circular constant"

 

I don't know what.

 

I walk alone, after winter session of a cramming school.

It was already 9pm. The TV show I had wanted to watch had already finished.

But, I was hurrying to go home, because it was so cold.

 

"If you don't understand the "circular constant" correctly, you can't solve questions of circle in math." The teacher had said to me.

But, I can't t understand, completely. So, I couldn't solve the questions, and I had got scolding from a teacher. I had tried, but,finally, I couldn't still understand.

 

There are a lot of things I can't understand in the world.

 

I am still a 5 grade student. Why must I go to a cramming school to study?

Anyway, The winter session will finish tomorrow.

 

I could see a lot of warm lights through the windows of houses around me.

 

The lights were so warm…

 

So warm

 

So…

 

Cold

 

 

In my house, It was so cold and dark as usual.

I turned on the light of the living room and air conditioner.

An empty room was so cold.

"The is pasta in freezer. Use the microwave." a memo said. It was my dinner.

My mother works so hard till late everyday.

She used to be at home, but, before I had entered school, after her divorce, she had always been working.

 

I ate the pasta in the silent room.

Probably, I could go nowhere because my mother has work till 30th

 

I thought it was not fine, the I thought this thought was not fine itself.

 

After the dinner, I brought a big ladder from a shed.

I would go to a secret place.

The length of the ladder is three meters when I extend.

If I lean against the wall of the house, I can go its roof.

My mother would come home late today, so, I climbed to the roof secretly.

 

Being on the roof, I could see a lot of other roofs in front of me.

Under them, there are a lot of warm lights through a lot of windows.

There were a lot of families in these lights, and spending their happy winter vacations.

I feel my heart grasped.

 

There was the round moon in the sky.

It was beautiful.

"Circular constant" of the moon is correct, I thought.

 

 

 

I tried to reach the round moon.

A little more, little more…

I, tried, to, reach,

I, tried, to reach, and, touch, then

 

 

I grasped.

 

 

Oh…?

 

 

 

"What's the matter with you?"

In front of me, there is a yellow sphere, which was as tall as me.

It had a face, arms, and legs.

And, it has a hollow in its face. I don't know why.

"You called me?"

It looked a little bothered.

"What do you mean?"

"I feel me grasped and being pulled down from the sky. You did?"

"The sky?"

"Yes, I was there."

The place he pointed was the place I had looked at the moon just before.

 

"Huh?"

 

The moon had vanished.

It's wired. The sky was clear.

 

"I was so surprised. I had thought I could watch the Earth without any shadow on my face."

Really? Is this the moon?

"Do you have something to ask me?

"Well, no it's not intentional."

"Oh, really?"

The moon sit on the roof of the next house.

I faced to the moon, so wired it is.

"Are you the moon?"

All words I could say was such a stupid words.

"Yes"

"But, the moon is not so small."

"Am I ? But, I am me. Size is not the matter."

"The moon is in the space."

"You pulled me down from the space. And here is the space."

"No, the Earth."

"Earth is also in the space."

 

I couldn't totally understand.

 

 

I cautiously touched the moon.

It was not so rough as I had thought, and it was warm.

It made my heart warm. It was mysterious.

"Huh, the moon is like this."

"How is like?"

"Well…like this."

"I'm caring how I look."

"Are you caring such a thing?"

"Of course."

"Why do you have a hollow here?"

"Ah, it's natural."

It said with embarrassment.

I've never heard that the moon has a hollow.

 

"If you have a hollow, the full moon is not round." I said.

"I'm hiding my hollow not to be watched from the Earth. I mind being watched my non-round shape.

"It's not embarrassing."

"It's embarrassing."

"I don't think so."

"Huh"

"Well, being the moon is not easy."

"Yes, but everyone is so."

"What?"

"Everyone has a hollow. As I look down at the Earth, I can see everyone has something like a hollow."

"Have something like a hollow…"

"Right."

 

I looked a lot of warm lights under a lot of roofs, again.

 

"Hey, may I go back?"

"Why?"

"If I don't go back soon, people will be confused."

"Right."

"See you"

"Ah…"

Suddenly, he vanished. And went back to the sky.

It was too sudden. All I could do was giving a blank look.

 

I could seen a beautiful full moon.

 

 

The next day, The last day of the winter session.

I came back to a cold house as usual

I  microwaved my dinner I bought a convenience store and ate it.

 

Everyone has something like a hollow.

 

In this morning, I hadn't watched any news saying"The moon had vanished."

What is the thing happened yesterday?

 

The moon was round.

It was not a full moon any more, so, it was not exactly round, but I couldn't see any hollow.

I thought of a hollow we can't observe.

 

There are a lot of things I can't understand in the world.

 

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Miru Omori

Colored-pencil-artist

 

She has painted since she was child.

She did workshops and made picture books as research for art education in university.

 

From, March 2018, she will start "Canvas", a share house project of supporting of development for artists.

 

Webhttp://mille.strikingly.com/

Storyteller in art Vol.5「3.1415926535...」with 大森美瑠

「Storyteller in art」

年内最後となる第5回は、色鉛筆アーティストの大森美瑠さんです。

大森さんは、イラスト、絵本制作、ものづくりワークショップ、シェアハウスなど、様々な分野でアクティブに活動されているアーティストです。大森さんの画は、線も色も、とても柔らかくて優しいです。

 

そんな、柔らかさと優しさのあるイラストに、リアルな質感の物語をのせてみよう。

そういった感じにインスピレーションを受けて、物語を書きました。

 

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「えんしゅうりつ」

 

って、なんだ。

 

僕は一人、塾の冬期講習からの帰り道を歩いていた。

もう時間は9時を過ぎている。見たいテレビもとっくに終わってしまっていた。が、外は寒いので、早足で家に帰っている。

 

「正しく『えんしゅうりつ』を理解してないと、円の問題は解けないぞ」と、塾の先生は言っていた。けど、僕にはさっぱりわからない。わからないまま、円の問題は解けず、塾の先生に色々と怒られ、それでも結局わからなかった。

世の中にはよくわからない事がたくさんある。

 

そもそも、まだ5年生だというのに、なんで塾に行って勉強しなきゃいけないのかわからない。

まあ、いいか。明日で冬期講習も終わりだ。

 

周りの家の窓からは、あたたかな明かりが見えた。

 

 

 

あたたかな、明かり。

 

あたたかな、

 

あたたか、な、

 

ひんやり。

 

家の中、は、いつものように、寒くて真っ暗だった。

「しーん……」

ほんとうに静かだとしーんって音がするんだ。

 

リビングの電気を付けて、暖房をつける。

人がいない部屋はとっても寒い。

晩ご飯は「冷凍のパスタがあるからチンしてください」だ、そうだ。

おかあさんは、毎日仕事で遅くまで忙しい。

昔は毎日家にいてくれていたのだけれど、小学校に入る前にお父さんと離婚してから、仕事ばかりしている。大変そうだ。

 

静かな部屋で冷凍のパスタを食べる。

年末、塾のみんなは、おばあちゃんの家に行ったり、旅行に行ったりするらしい。

僕は、お母さんの仕事が30日まであるから、きっとどこにも出かけられない。

 

ちょっと嫌だな、と、思ったけれど、そう思った自分がちょっと嫌だった。

 

 

 

晩ご飯を食べ終えて、ぼくは、物置から、大きな大きなはしごを持ち出した。

これから、秘密の場所に行く。

全部伸ばすと3メートルくらいあるそれは、家の壁にかけると、屋根まで昇れるようになる。

お母さんは今日も遅い。帰ってくるまでのちょっとの間、こっそり屋根に登るんだ。

 

屋根の上に上がる。屋根が沢山並んでいた。その下には、沢山の窓、から見える沢山の温かなひかり。ひかりの中では、沢山の家族が、楽しく冬休みを過ごしてるんだ、と、思うと、なんだか心臓がきゅっとなった。

 

まんまるの月があった。綺麗な丸だった。

あの月の「えんしゅうりつ」はきっと正しい数字なんだろうな、と、思う。

 

僕は、丸い月に、僕は手を伸ばしてみた。

月が掴めそうで、掴めそうで、

僕は、手を、伸ばし、

僕の手、は、丸いもの、に、触れて、、、

 

 

 

掴んだ。

 

え?

 

 

 

「どうしたの?」

目の前には、さっきまでは無かった、僕と同じくらいの身長の黄色い球があった。いや、いた。

なんか顔ついてるし、手と足とか生えてるし。あと、それから、なぜか上の方がちょっぴりくぼんでいた。

「呼んだ?」

そいつはちょっぴりめんどくさそうな顔をした。

「は?」

「いや、なんか急に掴まれたと思ったら空から引き摺り下ろされて。きみだよね。」

「空?」

「そうそう、そこにいたの」

その丸いやつが指をさした方向は、僕がさっきまで月を見ていた方向だ。

 

あれ?

 

さっきまでそこにあった月がない。

おかしい、空は晴れているはずなのに。

 

「めっちゃびっくりしたよ。今日はせっかく顔に影がかからずに地球を見下ろせると思ったのにー」

え、うそ、月?

「ねえ、なんか用事があった?」

「いや、たまたま……」

「なんだー、そうだったの?」

月は隣の家の屋根にぽん、と、座った。僕と月は向かい合う。なんだこれ。

「ねえ、月なの?」

この状況があまりにも謎過ぎて、こんなへんてこな質問しかできなかった。

「そうだよ」

「月って、こんなに小ちゃくないよ」

「そうなの?けど、僕は僕だから。大きいとか小さいとか、ないよ」

「月は宇宙にあるんだよ」

「君が引き摺り下ろしたんじゃないか。それに、ここも宇宙だよ」

「地球だよ」

「地球も宇宙だよ」

 

なんだかよくわからなくなってきた。

 

僕は、おそるおそる月に触れてみた。月は思ったほどごつごつしていなくて、なんだかちょっと温かかった。なんだか、触れば心も温かくなりそうな、なんか、とても、不思議な感じ。

「月って、こんな感じなんだ」

「どんな?」

「いや、こんな」

「僕がどんな風にきみに見えてるのか、気になる」

「そんなこと気にするの?」

「するさ」

「ここ、なんで削れてるの?」

「え、あー、これは、生まれつきなんだよね」

月は恥ずかしそうに言った。けど、月がこんな形をしているなんて聞いたことがない。

だいたい、今日は満月だったはずだ。

 

「くぼんでたら満月は丸くないはずだよ」

「くぼんでる所が地球から見えないように、隠してるんだよ。綺麗な丸じゃないところを見られるのは恥ずかしいから。地球から見えない所にくぼみがくるようにしてるんだ」

「はずかしくないよ」

「ううん、はずかしい」

「そうかな」

「そう」

「そっか、月も大変なんだな」

「まあね。けど、みんなそうだよ」

「え?」

「みんな、どっかにくぼみみたいなのがあるんだ。地球を見下ろしてると、みんなくぼんでる」

「くぼんでる……」

「そうそう」

 

僕は、もう一度、たくさんの屋根の下の、たくさんの温かいひかりを見た。

 

「ねえ、そろそろ帰ってもいい?」

「え?」

「早く戻らないと、みんなが騒ぎだす」

「あ、うん」

「じゃあね」

「あ、」

一瞬で、目の前の月は姿を消して、空に戻っていた。

あまりにも突然すぎて、ぼくはぽかんとする事しかできなかった。

 

綺麗な、満月だった。

 

 

 

次の日、冬期講習の最終日。

僕は、いつもの誰もいない寒い家に帰ってくる。

コンビニで買ったお弁当をチンして、食べた。

 

みんな、どっかにくぼみみたいなものがある。

 

今朝、テレビのニュースにも、新聞にも「月が一瞬消えました」とかいうニュースは流れていなかった。昨日のは何だったんだ。

 

空の月は丸かった。満月は終わってしまったから、ちゃんとした丸ではなかったけれど、くぼんではいなかった。

僕は、僕たちには絶対見えない、裏のくぼみのことを考えた。

 

 

 

世の中にはよくわからない事がたくさんある。

 

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大森美瑠 / Miru Omori

色鉛筆アーティスト

 

1990年石川県生まれ

幼い頃から絵を描き続ける

 

岐阜大学教育学部美術教育学部にて美術教育の研究の一環としてワークショップ実践、絵本制作などの活動を行う

 

2018年3月から東京葛西にて、

アーティスト・クリエイターを育成支援するためのシェアハウスCanvas を開始する。

 

大森美瑠ホームページ

http://mille.strikingly.com/

Storyteller in art Vol.4「We are sad liquid」with Miki Kobayashi

"Storyteller in art No.4"

 

I was inspired by the work of Miki Kobayashi, Singer-songwriter and Musician.

I had her compose musics for the performance "GuskoBudori Under The Stars", I had written and directed.

 

Her music can fill hearts gently.

I often listen to them at night.

They can melt the bad thing accumulated on my heart during a day.

They reshape myself seesawing among a lot of daily things , like cup which can keep a shape of  water.

 

I was inspired by that point.

Italic texts are quotations from her songs.

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I am liquid.

Liquid which needs vessels not to flow out.

 

It was December night, It is so cold in a park.

There are a lot of families and lovers in the daytime, but now, 2am, there is no one.

I sighed loudly, and lay down on grass.

Sky, dark night, moon was floating.

I like a night park.

I feel that it allow me to be myself.

I feel the dark space is not related to messy daytime.

 

、、、、、、、、、、

 

The last despair of the day had been floated on the surface of water.

 

I had had quarrel with my boyfriend on the morning because of a trashy thing.

Then, I had took a crowded train to go the small advertisement company where I have worked for 3 years. When I had got there, I had got a scolding by a manager for delay of my project. It is because of him that cause of delay. But, if I  had said so, he would have got more anger, so I had not told him so.

Afternoon, I had gone wrong way to go to a client. This had made him angry, more.

I'm so clumsy, I had spent like this in the morning, afternoon, evening, then,

 

9pm

When I had come back my house, with fatigue, I had found the dead body of my gold fish floating on the surface of water. I had got it with my boyfriend in a festival this summer. It had swum actively in this morning but at at that time it had been floating relinquish everything.

I had liked the gold fish because it had always eaten food awkwardly, like me.

 

I hadn't understood why it had dead.

I had kept water clean, I had fed enough, and it had been fine by this morning.

But, actually, it had been dead.

…I can't do my work well, and what is more, can't keep a gold fish alive.

When I had thought so, I had bursted out crying suddenly because of agony and vexation.

I had tried to lift up the fish tank, but, I couldn't do.

The fish tank slipped off from my hand, and broken into pieces with a big sound.

Water had been scattered because it had lost a vessel, and the dead gold fish fell on the floor.

 

At this moment, my mind had also broken into pieces with a big sound.

 

My boyfriend will be back late today, because of drinking.

I went to bed without taking shower not to be found my mind wavering.

I left a memo, "Our gold fish is dead " on the table.

I put pieces of fish tank away, but I left water and dead body.

 

 

I woke up at 2am.

He was sleeping beside me.

 

I couldn't sleep any more.

So, I wore a down jacket, a knit cap, and a scarf to go to the park.

The gold fish was still left there.

 

、、、、、、、、、、

 

Night park.

I breathed in the silence.

The space which is empty in the daytime was filled with night, surely, as if a vessel were filled with water.

Yes, night is liquid.

I floated in liquid night. It was comfortable.

I wished night lasted forever.

The daytime-world is too messy for me. I can't move, check my phone, consider  projects, and make my manager feel good, simultaneously.

Night is better. I can see nothing so I don't have to think the outside world.

Only thing I do is floating, the sea of night.

 

 

…but is it different from a dead gold fish?

 

"Oh"

 

I found I cried again.

Tears, which are liquid, ran down my cheek.

I wiped a drop of tear, then it vanished into my hand.

 

I gazed on the moon in the sky, and I remembered the broken fish tank.

Sound of breaking, scattered water.

Water can't keep its shape without a vessel, even if It could keep its shape in a tank everyday.

 

、  、

、 、

、、  、

 、、   、

    、

、  、  、

 、   、

、 、、   、

 

Liquid.

 

Liquid is sad.

It can't exist concretely, like solid.

It can't fly freely, like gas.

Even night exists only with vessel, time.

 

I am also liquid, now.

I'm sad liquid.

I manage to exist with help of night, like water in a cup, like a gold fish in a fish tank.

Night keep my being.

In the messy world, thanks to night, I can exist as myself.

I can float without losing myself.

 

So, what would happen after night is over ? after I would lose my vessel?

I wonder if I can keep myself in the empty world.

There is a possibility that I flow off somewhere in a messy world.

 

 

I imagine my flowing out.

Dawn, When it become brighter and brighter, I would lose my vessel so I would lose my shape, the shape of myself.

After I lose my shape, I would flow out the bright empty world.

I can't be my being any more.

Myself not being myself would be like a dead gold fish.

Falling fish tank, I scattered on the floor with a dead gold fish.

And then, and then,

 

 

"Hey!"

I woke up then.

I saw him standing there.

He didn't wear a jacket.

I had fell into asleep without noticing it.

The  sky started to grow light.

 

"Are you okay?"

He said, rubbing himself

If you feel cold, you should were a jacket.

"Our gold fish was dead, you disappeared, and…."

There are tears in his eyes, tears, liquid.

"I bet you feel cold. Why you went out without a jacket.

"Why could I care such a thing?"

That's stupid answer made my hot, I don't know why, but tears stared running down my cheek.

He was still rubbing himself.

As if his body also started flowing out somewhere without rubbing

 

He is also liquid, I thought.

At that time, He hugged me.

 

"Let's go back home, and bury the gold fish."

 

I need a vessel not to flow out.

Even if I am in the empty world, I can keep myself in this warm vessel.

And, he is the same, I thought.

Even if he is in the empty world, he can keep himself in this warm vessel.

 

Empty daytime world is coming.

 

The moon is floating in the sky growing light

It shines on your heart

 

We went back home holding our hands, looking the moon.

We are liquid.

We are liquid which need vessels not to flow out in this messy world.

 

Daily life runs through

I am overtaken be its fast flow

The only thing I can do is living

Collecting lovely things

 

Not to flow out.

 

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Miki Kobayashi

Singer-songwriter, Musician

Her works are based on the concept, "healing and moving".

She makes musics evoking the scene, and sings with clear voice.

She have also made musics for a short film and commercial.

Web:http://kobayashimiki.com/